健康診断

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 運動療法のすすめ

 高血圧症、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病に対する運動療法は、その病気の治療効果と共に、動脈硬化性疾患の発症や進展の予防に効果があります。またこれらの治療効果だけでなく、体力の向上、筋力や柔軟性の改善、心理的な安定作用などにより、生活の質を高める効果もあります。
 現在病気治療中の方は、主治医とよく相談し、また何らかの自覚症状をお持ちの方や、心疾患、呼吸器疾患などの内科的疾患や、整形外科的疾患などの既往歴のある方は、医療機関を受診した上で、それぞれの年齢、運動歴、体力、症状などを考慮した、自分に適した運動内容、運動量を決めてもらい運動療法を進めて下さい。
 運動療法の実際  

運動療法を行う目安としては、以下の方法があります。これを目標に運動してください。
運動に当たっては、下記注意事項に十分留意して下さい。



 運動強度は、年齢ごとの予測最大心拍予備能(最大心拍数 − 安静時心拍数)の、50%程度を目標とするのが一般的です。これは
   
   [(220−年齢)−安静時心拍数]×運動強度+安静時心拍数

で求めます。
 例えば、50歳で安静時心拍数が70回/分の場合における目標運動強度(目標心拍数)は、
   [(220−50)−70]×0.5(50%)+70=120(回/分)
と算出します。健康で運動習慣のある方は、これを目標とすれば良いでしょう(だいたい心拍数110〜120回/分位で、自覚的に楽〜ややきつい位を目標とします)。運動に慣れていない方は、この値の80〜90%位を最初の目標にしてください。




 運動の量は、一日30〜60分(運動のスピードにより異なります)、最低3回/週を目標とします。歩数を目安にした場合、一日の総歩数で8,000〜12,000歩位は必要です。
 基本的には、一日に、歩行(70〜80m/分)で60分、速歩(90〜100m/分)で40分、ジョギング(140m/分)で30分を目標時間とします。なお、20Km/週以上の運動(週4〜5日の歩行)を行えば、更に十分な効果が期待できます。




 運動を開始する時は、以下のステップで行いましょう。
   
   1. 最初は目標時間の5分の1位(歩行で10〜12分)から開始する。
   2. 2〜3日毎に5分の1ずつ増やす。
   3. 体調によるが、10日〜14日で目標量に到達させる。
      (決して無理をせず行う事を心がけてください)





年齢 運動の種類 運動強度(目標心拍数) 運動時間 運動回数
30代 歩 行
速 歩
ジョギング
など
121 〜 125 30 〜 60分 3回/週以上
40代 116 〜 120
50代 111 〜 115
60代 106 〜 110

 注意事項

 運動に適した服装、靴を選ぶ。
 姿勢は胸を張り、背筋を伸ばす。つま先で地面を蹴り、着地はかかとから。膝と脚をしっかり伸ばし、リズミカルに歩く。
 運動当日の体調や健康状態が悪いときは、中止する。
   
(例 : 睡眠不足、著しい疲労感、発熱、下痢、腰痛など。) 
 ウオーミングアップ、クーリングダウンは十分に行う。
 自覚的運動強度(楽〜ややきつい)も参考にし、目標心拍数に到達しなくても、ややきつくなったら中止する。
 今まで見られなかった症状が出た場合は、中止し主治医に相談する。
 汗をかいたら、水分の補給を行う。
 治療中の場合は、定期的に医師の診察を受ける。
 持続してやることで、効果が出るので、何か楽しみを見つけて運動する。

   参考文献 日本医師会編 運動療法処方せん作成マニュアル

 日本医師会 健康になる「運動」
 オムロン健康スタイル・レシピ (オムロン ヘルスケア株式会社)

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